元本保証の商品中心で資産運用したい場合の戦略【安心・安全・確実】
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FPトガクレです。
日本人はどうしても以前から「貯金信仰」があり、元本保証ではない株や不動産での運用を極端に嫌います。
だいたいの人は株で運用することなどを周りの信頼できる方に相談してみても、「えー、株とかギャンブルでしょう。○○さんは株で100万円損したってよ」みたいな話しか残念ながら聞けません。
ここまで強固な貯金信仰は、歴史を紐解くと戦時中の国の政策までさかのぼり、当時の国は戦費を確保するために、国民に貯金を強く推奨したのです。
それが現在まで国民に広く常識として浸透しているとされています。
2019年の超低金利(というかマイナス金利)では預貯金での運用では、ほとんど利益が無いばかりか、むしろ引出時に手数料を取られるとマイナスになってしまいます。
しかしながらそれでも元本割れする商品への恐怖から、変動する商品で運用するのがどうしても嫌な方も多いと思います。
そのような方向けに、「元本保証」又は「ほぼ元本保証」の商品からいくつかおすすめの商品を紹介します。
商品によって個人的なおすすめ度を星1つから5つで表しています(☆~☆☆☆☆☆)。
※記事中の参考金利などは、2019年5月現在の金利となっています。
- 預貯金(おすすめ度 ☆)
- ネット銀行の預金(おすすめ度 ☆☆)
- ネット証券の口座(おすすめ度 ☆☆☆)
- 個人向け国債(おすすめ度 ☆)
- 社債(おすすめ度 ☆☆☆☆)※デフォルトリスクあり
- 国内債券インデックスファンド(おすすめ度 ☆☆☆☆☆)※価格変動あり
- まとめ
預貯金(おすすめ度 ☆)
説明不要の預貯金。
そして説明不要の超低金利(笑)
メガバンクや地方銀行、郵便局に普通にお金を預けるとこれになります。
まあ預けていて現在の金利では、増えることはほぼないと思って結構です。
長期で預ければ、金額によってはいつの間にかうまい棒位は買えるでしょう(笑)
メリットとしては流動性があるということでしょうか。
流動性とは使おうと思ったらすぐ使えるということ。
株や債券ではそうはいきませんからね。
一般の銀行の定期預金にすると、このメリットさえ無くなってしまうので、2019年5月現在は正直おすすめできません。
<代表的な銀行の金利>
みずほ銀行
普通預金 0.001%
定期預金(300万円未満 1年) 0.010%
わかっちゃいるけど、改めて記事にすると金利が少しショッキングですね(笑)
100万円を1年預けても10円と、うまい棒1本だけです。
いや、正確に言うと税金で利益の約20%持って行かれるので、8円になり買えませんでした(笑)
昔は5円チョコなんてありましたけど、2007年に100円のパックに変更になってしまいましたのでこちらも買えません。どうでもいい情報でしたね。
ネット銀行の預金(おすすめ度 ☆☆)
同じ預貯金でもネット銀行にすると少し金利が上がる場合が多いんです。
定期預金などもキャンペーン金利などが適応されると、それなりに上乗せされます。
定期預金は前述の通り流動性が悪くなることがデメリットなので、資金を拘束されてもそれを上回るメリット(利率)があれば検討して下さい。
<代表的なネット銀行の金利>
楽天銀行
普通預金 0.02%
定期預金(1000円以上100万円未満) 0.03%
レベルの低い争いかもしれませんが、それでも普通預金はメガバンクの金利の20倍(定期預金は3倍)。
100万円を1年預けると、うまい棒20本(税引き後で約16本)分の金利です。
ネット銀行は、振り込み手数料が無料になったりとの特典もあります。
いやそちらの方のメリットの方が今となっては大きいか。
ネット証券の口座(おすすめ度 ☆☆☆)
「投資なんかしないんだから証券会社の口座なんかいらないよ」という方ちょっと待って下さい。
証券会社に口座を開いて、証券口座に預けておくと、銀行の預金より金利が高いことが多いんです。
以下見てみて下さい。
<代表的なネット証券の金利>
楽天証券
普通預金(マネーブリッジ設定後) 0.10%
「マネーブリッジ」とは、楽天証券口座と楽天銀行口座を連携させることでご利用が可能になる6つの各種サービス・機能の総称です。マネーブリッジのお申込み料は無料です。
引用:楽天証券ホームページより
ということで、楽天証券(銀行)でマネーブリッジを設定しておけば、優遇金利を受けることが出来ます。
これでもまだ金利は少ないながらも、みずほ銀行の普通預金と比べれば100倍です!
もちろん流動性も確保されておりますので、預金のメリットを享受しつつ、高金利(他と比較すれば)を得ることが出来ます。
100万円を1年預けると1,000円(税引き前)となります。まあまあですね。
うまい棒換算だと…はもういいですね。さすがにいっぱい買えます。
個人向け国債(おすすめ度 ☆)
さあ大本命とも思える個人向け国債。
昔から元本保証派に熱い指示を得ています。
しかしながら私のおすすめ度は星ひとつです。
つまりおすすめできない。
2019年6月現在のマイナス金利政策では正直金利がおいしくない。
<代表的なネット証券の金利>
楽天証券
個人向け国債 固定3年 0.05%
個人向け国債 固定5年 0.05%
あれ?と思った方、いらっしゃいますね。
そうなんです。証券口座にお金を置いておくより金利が低いんです。
しかも期間中は資金を拘束されてしまう。
正直あまりメリットを感じません。
購入後は1年間は途中換金できません。
それ以降でしたら、直前2回分の利子(1年分ですね)が差し引かれて解約できます。
元本保証で現在大きなメリットとも言うべき流動性も低く、しかも金利も安い。
個人で積極的に選ぶ意味も今現在はないでしょう。
政府のマイナス金利政策が終わったら、その時また考えましょう。
…っとまあここまでが元本保証で運用できる金融商品となります。
元本保証の商品だけでどうしても運用したい方はこのあたりから選ぶことになります。
一見元本保証のようで高金利に見える最近話題の「ソーシャルレンディング」などは、近年デフォルト(債務不履行)が発生しており、リスクが少ない商品とはいえません。むしろリスクがとても高い商品と言えます。
そりゃそうですよね。銀行などがお金貸してくれない事業案件に、我々個人投資家がお金を出すんですから。
銀行が健全な事業と思っていれば、普通に銀行が貸しますよ。
そこまでいかなくても、価格変動はちょっとするけど、少し勇気を持ってお金を出してみたい方向けの商品は以下になります。
社債(おすすめ度 ☆☆☆☆)※デフォルトリスクあり
この商品からそれなりにリスクがある商品になります。
社債とは株式会社がお金を集めたい時に発行する債券です。
我々はこの債券を買うことによって、会社にお金を貸し、その会社から金利をもらうことが出来ます(実際は証券会社を通じてだけど)。
社債は本当にピンきりで、期間も利率も申し込み単位もそれぞれです。
人気のある社債は、発売後すぐに売切れてしまうので争奪戦です。
おいしくない利率などで人気のない会社の社債は売れ残りまくりでしょう。
リスクとしては、
- 信用リスク … 会社の経営悪化などで元本や利息が払われなかったりすることも
- 価格変動リスク … 途中で売却する場合は市場価格になる
- 株価・為替変動リスク … 一部の商品で為替や株価に連動する社債がある
株価や為替に連動する社債は完全に投資商品です。
元本保証派が興味を持つ商品ではありません。
<代表的な社債>
ソフトバンク社債(第51回の分を参考に記載します)
年率 2.03%(税引き前)
期間 約7年
申し込み単位 100万円以上100万円単位
社債はこちらもリスクを許容する分、預貯金に比べてグッと利率も上がります。
期間がかなり長いのが気になりますが、この低金利の時代に2%の利率は魅力的です。
ご紹介したソフトバンク社債は大人気で、売り出しからすぐに売切れてしまうことが多いです。
自分は10年位前にSBIの社債を狙っていた時期がありました。
期間は1~2年で年率は当時2%くらいだったと思います。
当然争奪戦となり、売り出し時間を待ち構えて注文をするのですが、抽選となってしまい、なかなか当たらなかった思い出があります。
社債はそれなりにリスクを負うことにはなりますが、そのリスクを許容できる方にはおすすめです。
くどいようですが株価や為替に連動する社債は、元本保証派とは趣向が違う商品になります。
国内債券インデックスファンド(おすすめ度 ☆☆☆☆☆)※価格変動あり
「国内債券インデックスファンド」とは、日本国内の公社債に投資を行う商品です。
「公社債」とはありますが、国債の場合がほとんどですね。
この手の商品は社債と違って、基本的に欲しい時にいつでも買えます。
とりあえず代表的な商品を紹介してしまいます。
<代表的な国内債券インデックスファンド>
eMAXIS Slim 国内債券インデックス
資産の構成比率
- 国債 82.7%
- 地方債 5.3%
- 特殊債 6.6%
- 社債 4.6%
リターン(1年) 1.86%(2019.5.27時点)
「うおおおお!利率が良いじゃねえか!しかもいつでも買えるし!」とお思いの方、ちょっと待って下さい。
この商品は価格が変動します。
2018年の10月頃は、今より2%以上値下がりしていました。
そうです。元本割れしていました。
価格が変動するのを受け入れた上で、さらにリターンを得たい人向けです。
価格変動のある商品の中では、値動きが少ない商品ですが。
価格変動があるからには、安い時に買って高い時に売れば儲かる、あくまで「投資」の範疇です。
この商品をそんなタイミング投資する方も少ないと思いますが、それでも投資の商品には変わりありません。
株や投資信託で運用されている方は、国内債券インデックスファンドをディフェンシブ(守り)に活用しますが、投資をされてこなかった方からすると、この商品でもかなり購入には勇気がいるでしょう。
その他インデックスファンドではありませんが、
という記事を以前に書きました。
明治安田社債アクティブも個人的にはおすすめの商品となります。
まとめ
比較的安全な資産でも、やはりリスクを許容できるかどうかで利率も大きく変わってきます。
歴史的な低金利の中での元本保証商品での資産運用は、はっきり言って厳しいものがあります。
しかしながらその中でも良質の商品がありますので、ご紹介したような商品をうまく活用してあなたの資産形成に役立てて下さい。
※今回紹介した「社債」と「国内債券インデックスファンド」は元本保証ではありません。ご注意ください。