学資保険はおすすめできるか? メリットとデメリット【2019年度版】
スポンサーリンク
FPトガクレです。
保険大国日本。
巷には様々な保険が乱立し、CMでは我々の不安を毎日あおります。
その中でも本当に必要な保険は、個人で見極める必要があります。
本当に必要な保険は、人それぞれのライフスタイルによって違ってきます。
学資保険についてはファイナンシャルプランナーの中でも意見が分かれます。
ではどんな人が学資保険が必要となるのでしょうか?
メリットやデメリット、法改正なども見ていきたいと思います。
学資保険に入るメリット
学資保険に入るメリットを少し見ていきましょう。
①計画的に満期日に向けて貯蓄していく事ができる
毎月決まった金額をコツコツと計画的に貯蓄できる人は良いでしょうが、そうでない方は強制的に引き落とされることで、結果的にきっちりと貯蓄する事が出来ます。
②お金が少し増えて戻ってくる
正直たいした金額ではないですが、ほぼゼロ金利の現在では、まあ無いよりはいいでしょう。
返戻率がいいところだと18年で5%前後となります。単純計算で積み立て200万で10万。300万で15万。
多いと感じますか?
③保険としての機能
契約者が亡くなった場合は、その後の保険料の支払いが免除されますので、ちょっとした生命保険代わりとしても利用できます。
④年末調整で控除の対象となる
生命保険料控除となり、年間払込保険料は学資保険の場合は少なくないと思います。まあ何万もの節税にはなりませんが、積立期間も長いのでそれなりというところでしょうか。
学資保険のデメリット
学資保険のデメリットとしては以下の通りです。
①返戻率が物足らない
メリットで「返戻率がいいところだと18年で5%前後」と話しましたが、返戻率がいいところの場合で、実は「5%程度マイナス」になってしまう保険会社もありますので、注意が必要です。
②返戻率が決まっている
初めに返戻率が決まっているということは、元本保証派にはうれしいところですが、インフレに弱いということです。
仮に世の中の金利や物価が上がりまくったとしても、払戻率は変わりません。
実質的に資産が目減りしているのと同じになります。
③途中解約でペナルティーが科せられることも(自由に使えない)
いくら貯蓄性が高い保険といっても、途中で自由に解約できるわけではありません。
絶対に解約できないわけではありませんが、期間によっては元本割れするペナルティーが科される場合があります。
④保険会社が経営破綻する可能性もゼロではない
可能性は低いとは思いますが一応。
保険会社ですので「生命保険契約者保護機構」により、破綻時も最悪でも「責任準備金」の90%は保障されます。
10%は減る可能性があるということです。
学資保険に入った方が良い人
以上のメリット・デメリットを比較して、加入した方が良い人を紹介します。
①計画的な貯蓄が出来ない方
一旦契約してしまいますと、毎月必ず払わなければとなりません。
「貯金はしようと思うんだけど、ついつい使っちゃって…」なんて方は加入したらいかがでしょうか。
気が付いたらある程度まとまったお金を貯蓄する事が出来ます。
ちょっとした節税にもなりますし。
②生命保険など他の保険に入っていない方
契約者が万が一無くなってしまったら以後の払い込みが無くなります。
生命保険などを契約しておらず、「万が一の時でも子どもの教育資金ぐらいは残してあげたい」という方にどうでしょうか。
配偶者への生活保障まで考えるなら生命保険の方が良いと思いますが、共働きなどでとりあえず教育資金をと考えているご夫婦など。
おすすめ学資保険
・明治安田生命 つみたて学資
・ニッセイ 学資保険
・フコク生命 みらいのつばさ
・ソニー生命 学資保険
あたりが払戻率が比較的高く、おすすめとなります。
それぞれに積み立てる時期や払戻方法に違いがあるので、必要な方は比較してみてはいかがでしょうか?
…。んー。
おすすめの説明が、ずいぶんとあっさりしているには訳があります。
正直「学資保険はそんなにおすすめ出来る保険ではなくなってしまった」んです。
詳細は次の「まとめ」にて。
まとめ
実は2017年4月の返戻率の見直しにより、大幅に悪化しています。
それまでは一番払戻率が良いものは18年で約14%前後の返戻率でしたが、2017年4月以降の契約では約5%前後となってしまいました。
オプションをたくさん付けたら、むしろマイナスになってしまうものも多くあります。
原因としてはマイナス金利の影響があります。
日銀のマイナス金利は2019年4月現在、まだ具体的に見直す話は出ていませんので、しばらくこのままでしょう。
そうなると学資保険の返戻率も、しばらく低水準なことが予想されます。
学資保険の存在意義が薄くなっているんです。
18年前後も資金を拘束され、トータルで4%程度の返戻率では、他の選択肢も視野に入ってきます。
例えば学資保険と同程度の金額を国債や社債など比較的安全な商品で運用し、保険としては掛け捨ての生命保険に入る。
掛け捨て型の生命保険の代わりに収入保障保険でもいいかもしれません(こっちもあんまりいいの無いかな)。
もちろん手間はかかりますが、急な出費があった場合の資金の移動も比較的自由ですし、万が一の時は生命保険や収入保障保険で補償できる。
なんてことも考えてしまいます。
学資保険は計画的に貯蓄できない方にはまあ良いかなと思います。
しかしきちんと管理できる方には、マイナス金利が続く2019年4月現在、ちょっとおすすめしにくい保険となっています。
過去記事