患者さんで治療方法を細かく決めつけちゃう人は、もったいないなーという話
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トガクレです。
トガクレが日々感じている事を話すよ
医療福祉業界にいると、患者さん(及びそのご家族)が治療方法やその方針を細かく指定する場合があります。
もちろん医療スタッフとの話し合いの中で、要望を出して治療方針を決定するのは重要です。しかし、中には「こんな指定するの?むしろしない方が良いのに…」ということも多々あります。
その度に、「あーもったいないなー」と心の中で思ってしまいます。
今回はそんな内容を紹介してみたいと思います。
※あくまで個人の意見ですので、すべての事例で当てはまるものではありませんし、推奨するものでもありません。
ただの無駄話としてお読みくださいw
テレビで見た治療方法と同じものを求める
あるあるですね。
特に年配の方にはテレビの影響はとても大きい。
「テレビで見たんですけど、○○という治療をしてほしい」とか、
「テレビで効果があると言っていた△△という薬を処方してほしい」とか。
私はドクターではありませんが、ドクターは病気だけではなく様々な要因(その人の体力や年齢、既往歴や薬の飲み合わせ)等を考慮して治療方法を決定しています。
それをすっ飛ばして治療方法を強く指定してしまうは本当にもったいない。
要望を出してドクターと話し合うのは重要ですが、中には「テレビで有名な先生が言っていたんです!」などと押し切ってしまう人がいます。
テレビの先生が言っていたことは、その人に適した治療ではない可能性があります。
(一般的な内容で、その人個人に適応するかは別問題)
しかしそうなるともっと適切な治療方法が別にあったとしても、ドクターも「しょうがねえな」になってしまいます。
リハビリ方法を細かく決めてしまう
大きな病気直後のご家族によくあるのですが、病気になる前の状態までに完全回復を望んでしまいます。
もちろん完全に戻る場合もありますが、病気によっては障害が残ってしまったりするので、その障害ありきでも日常生活できるように、専門職はリハビリなどの治療方針を決めていきます。
例えば脳卒中で麻痺が残ってしまう場合や、骨折による手術で可動域に制限が出てしまう場合など。
しかしご家族は病気になる前の状態(完全な状態)に戻ってほしいので、中には厳しいリハビリや、見当違いな運動を指定してきたりする方がいます。
専門職(理学療法士や作業療法士)によるリハビリは時間が決まっているので、ご家族や患者さんがリハビリ内容を指定してしまうと、他のメニューを行う時間が減ってしまいます。
「その運動しても患者さんの心理的負担になるだけなのに…」
「他のリハビリした方が回復するのに…」
という場面が多々あるんです。
お気持ちはよくわかります…。
急にその状態になってしまったわけですからね…。
この場合は、病気による急な変化を受け入れることが難しい患者さんやご家族の心情に、専門職が寄り添う必要があります。
入所の患者さんの生活を細かく指定する
こちらは病院ではなく、高齢者の入所型施設でよくあります。
熱心なご家族がご自分の入所されている親の事で、
「13時から1時間は必ず昼寝をさせて下さい」
「夕食時に必ずこのプリンを食べさせて下さい。好きなんです」
などなど細かく指定される方がいらっしゃいます。
ご自分の親に毎日快適に過ごして頂きたい気持ちはわかります。
しかーし、
毎日24時間、現在の生活を見ているのは施設の職員です。
「この時間寝ちゃうと夜寝ないんだよねー」
「この時間におやつ食べると夕食食べなくなっちゃうんだよねー」
などと職員は思うことがあります。
入所前の患者さんを一番よく見ていたのはご家族かもしれませんが、入所されてからの現在の生活を一番観察しているのは職員なんです。
週に1回程度、面会で1時間しか見ていないご家族とでは、現在の体調や生活リズムなどの情報量がかなり違います。
しかしながら職員も一応説明しますが、強く要望されると「まあしょうがないよね…」とご要望通り支援してしまいます。
そうなると患者さんのためになっているようで、負担になってしまっていることがあります。
まとめ
病院や施設の職員は専門的な知識の他に、たくさんの事例も見てきています。
不安や気持ちが消化しきれないことがあれば、相談してみましょう。
より良い提案をしてもらえるはずですよ。
色々と決めつけちゃうともったいないよ!
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